フィットネス各社は営業再開後のコロナ対策で進化できるか

6月に入り緊急事態宣言に伴う各都道府県での休業要請解除を受け、フィットネス各社が営業を再開している。新型コロナウイルス感染拡大の第二波を懸念する声も多い中、各社独自のソーシャルディスタンスを保つ対策を打ち出している。

フィットネスクラブ、パーソナルトレーニング、ヨガなど業態によって打ち出す対策は異なり、更にはソーシャルディスタンスを保つ施策によって店舗収益に影響がでることも想定されるが、それを受け入れた上で店舗営業の「ニューノーマル」を見出す必要がある。

ホットヨガ「loIve(ロイブ)」は定員数を70%制限、間接接触も徹底的に対策

株式会社LIFE CREATE公式サイト

全国73店舗を展開するホットヨガスタジオ「loIve(ロイブ)」、サーフエクササイズ「Surf Fit Studio」、マシンピラティス専門スタジオ「pilates K」を運営する株式会社LIFE CREATEも6月2日に営業を再開した1社だ。同社は女性専用の多岐に渡る業態を展開しているリーディングカンパニーの1社、2020年3月時点での会員数は15万人を超える。

株式会社LIFE CREATE プレスリリース

同社はプレスリリースにて主力のホットヨガスタジオ「loIve(ロイブ)」はソーシャルディスタンスを保つため、会員同士が1.5〜2メートルの距離を保つ配置にすることで、スタジオ定員数を従来の70%に制限し営業を行うとしている。

株式会社LIFE CREATE プレスリリース
株式会社LIFE CREATE プレスリリース

サーフエクササイズ「Surf Fit Studio」、マシンピラティス専門スタジオ「pilates K」も同様に器具の中心より半径1〜2メートルを保つ配置にしスタジオ定員数を制限する。また、レッスン時のアシスト・アジャストの中止や定期的な換気、レッスン中のマスク着用可など、レッスンのオペレーションに関わる対策にも踏み込んでいる。

更に出勤前の検温の徹底や、手洗い・手指アルコール消毒の徹底などスタッフの感染予防策の実施に加え、ロッカー鍵の受け渡しの廃止(鍵のついているロッカーを会員自らが選んで利用)、マットや器具・ロッカーなどの仕様後の除菌清掃、清掃回数増加、手拭き用タオルの廃止といった間接的な接触についても徹底的に対策している。

東急スポーツオアシスは施設利用状況をオンラインで確認可能にする

株式会社東急スポーツオアシス プレスリリース

マスクの着用、検温、消毒といった内容に加え、ユニークな対策を打ち出しているのが「東急スポーツオアシス」だ。同社はロッカー稼働率を基準として、施設の利用状況を「少ない」「普通」「やや多い」「多い」の4段階と「ロッカー利用率」を15分毎に更新しHP上で確認できるようにする。このロッカー稼働率は、通常利用可能なロッカー数を約半分に制限した上で算出している。

この施設利用状況の表示は、新型コロナウイルス感染拡大が収束した後も会員にメリットのある施策とも言え、また東急スポーツオアシスのような大手がITをフル活用した施策を打ち出していることは特筆に値するだろう。

コロナ対策を新たな店舗運営の「ニューノーマル」として確立できるか

2社の事例からも分かる通り新型コロナ対策によって、清掃回数の増加、検温作業などコストの増加、更にソーシャルディスタンスを保つための稼働制限などによって売上効率の低下は免れず、業績に対するプレッシャーは明確だ。

反面、直接的な鍵の受け渡しの廃止などオペレーションの見直しによる業務コストの削減、館内の共有物の廃止等(会員サービスの低下という側面も否めないが)増加したコストの反面、削減し効率化できる部分があるのも事実だ。

東急スポーツオアシスが実施している施設稼働利用状況の「見える化」施策は、テレワーク推進によって在宅時間が伸びた会員の施設利用によって施設稼働時間の「平準化」も期待できる。これは時間帯による稼働状況の波が激しいフィットネス業態の「営業効率」問題に一石を投じる可能性もある。

新規出店時にソーシャルディスタンスを意識したマシンの配置による初期投資の削減効果も考えられる。逆に施設利用会員数を低く見積もった事業計画書も必要となる。常時換気を前提とした物件選びや内装工事など出店における条件や費用も変わりそうだ。

新型コロナウイルス感染拡大と緊急事態宣言によってフィットネス業界は「トランスフォーメーション」を迫られている。新たな店舗運営の「ニューノーマル」をいち早く確立することで、消費者の支持を受け、業界の新たなリーダーになることができるだろう。

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