リボーンマイセルフとエクササイズコーチの運営会社が合併、パーソナルトレーニング市場の覇者となれるか

リボーンマイセルフを全国44店舗展開する株式会社Shapes International(シェイプスインターナショナル)と、エクササイズコーチを全国26店舗展開しているエクササイズコーチジャパン株式会社が合併した。

リボーンマイセルフは業界に先駆けて女性専用パーソナルトレーニングジムを立ち上げた

合併後の存続会社はエクササイズコーチジャパン株式会社、社名も同様となる。両社は椿本 健太氏が代表取締役であり兄弟会社同士が合併した形だ。

今回の合併で、エクササイズコーチジャパン株式会社は、リボーンマイセルフとエクササイズコーチというパーソナルトレーニングジム2業態を有し、全国で約70店舗を展開するフィットネス企業となる。

リボーンマイセルフよりエクササイズコーチの出店に注力

リボーンマイセルフはパーソナルトレーニングジム業界の黎明期である2010年12月に1号店をオープン(RIZAP1号店は2012年)。短期間高単価のパーソナルトレーニングモデルだが、女性専用であることを武器に着実に店舗展開を続け、同社沿革によると2015年9月には50店舗に到達している。

エクササイズコーチはマシンによる付加効率を追求し時短トレーニングを実現している

エクササイズコーチは、米シカゴ初のパーソナルトレーニング業態。週2回で月会費32,000円という安価な価格設定や、マシンを使ったトレーニング管理メソッド、20分という短時間のトレーニングなど独自のビジネスモデルを展開している。2017年3月にエクササイズコーチジャパン株式会社を設立、EXERCISE COACH U.S.A, INCとマスターフランチャイズ契約を締結し日本での展開を本格化させた。

BEHIND THE FITNESS編集部作成

今回合併する両社の沿革を比較する、同社は2017年8月以降エクササイズコーチの出店に注力している。一方でリボーンマイセルフは2019年12月末時点での店舗数は44店舗(リボーンマイセルフ公式サイト記載)と、2015年9月に50店舗出店を達成して以降は漸減している。

エクササイズコーチは低単価・時短を武器に大量出店フェーズを継続か

エクササイズコーチはパーソナルトレーニング業態だが、いわゆる短期間高単価型の業態と違い、マシントレーニングの負荷効率を上げるメソッドと、20分という時短型、それに伴う低コスト化を武器に出店を重ねている。

エクササイズコーチは低単価で男女共に集客できるため会員の裾野は広い

エクササイズコーチは、東京都では既に12店舗を出店し更に3店舗の出店を控えている。池袋では東口と西口に1店舗ずつ出店しており、愛知県内でも名古屋栄、金山の2店舗に加え名古屋駅店の出店予定もある。大阪府内では既に4店舗を出店済み。これを見ると比較的短中距離の商圏で出店を重ねており、まだ相当数の出店余地を有している。

同社はフランチャイズによる出店がメインであるため、出店コストの大規模資金調達を必要としない。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け一時的に停滞するだろうが、フランチャイズ加盟店募集が順調に進めば一定速度での店舗展開が可能となる。

エクササイズコーチの出店余力はパーソナルトレーニング業界1位への原動力となるか

パーソナルトレーニングジムのブランド別店舗数はライザップが首位を独走している

主要パーソナルトレーニングジムのブランド別店舗数は、ライザップ(国内)が137店舗と2位の24/7Workoutを大きく引き離し首位を独走している。一方で同社のリボーンマイセルフ、エクササイズコーチは24/7Workoutとも差が開いており、3位グループに甘んじている。

首位のライザップは店舗純増数の昨対マイナスが続いている

しかしながら昨対店舗純増数の推移を見ると、ライザップの店舗数は純増しているものの、その増え方は年々下がっており出店余力を減らしているように見える。逆に24/7Workout、エクササイズコーチは高い純増数を維持している。

前述した通りエクササイズコーチは短中距離商圏での出店を続けており、まだまだ出店余力は十分と見ていい状態だ。リボーンマイセルフ1ブランドだけでは継続的な成長は難しかったかもしれない。エクササイズコーチという別ブランドの開発に成功したからこそ、企業としての成長を再加速させられた格好だ。

フィットネス領域で異なるブランドを複数成功させた事例はまだ少ない

今回の合併で、1社単独の店舗数では24/7Workoutと並び2位水準となる。それでもなお首位ライザップとは70店舗近い差が開いているが、この店舗差を埋める鍵は「エクササイズコーチの出店余力」ということになる。

ライザップは女性専用の暗闇フィットネス業態「EXPA(エクスパ)」の出店を増やしているが、3年かけて13店舗と基幹ブランドであるライザップほどの出店スピードは出せていない。24/7Workoutは英会話事業も展開しているが、フィットネス領域では具体的に出店を加速させるフェーズに至っている別業態は無い。

ベンチャーバンクグループはフィットネス領域、非フィットネス領域で20業態を超えるブランドを開発している

パーソナルトレーニング業態ではないが、現在のフィットネス領域で最もうまく複数ブランドを開発し事業化しているのはベンチャーバンクグループかもしれない。「ホットヨガスタジオ LAVA」「インドアサイクル専門スタジオ FEELCYCLE」「jump one」それぞれを相応の店舗数と事業規模に成長させている。

フィットネス業界大手を見ても、基幹ブランドが収益の大半を稼ぎ出している企業は少なくない。エクササイズコーチジャパンはベンチャーバンクグループに続き、複数ブランド戦略によって高成長を続ける新興企業グループの代表格の一角になりつつある。

合併で当期純利益は1億円近い水準へ

今回の合併で、同社の業績動向を見ていきたい。

エクササイズコーチジャパン株式会社 合併公告

エクササイズコーチジャパン株式会社の合併公告を見ると、2019年9月期(第3期)の当期純利益は5,909万円となっており、株式会社Shapes Internationalの決算は先般報じた決算公告によると、2019年9月期(第9期)の当期純利益は5,796万円となっている。

売上高は公告への記載が無いため不明だが、リボーンマイセルフ、エクササイズコーチいずれもフランチャイズによる出店がメインであるため、計上される売上高や利益水準はライザップや24/7Workoutと比較するとサイズダウンするものと推測される。(サイズダウンする理由は、売上高はネット計上、エクササイズコーチのFCロイヤリティは店舗売上の12%程度、販管費は上昇しづらいが、直営での出店とは財務モデルが異なるため)

今回合併する両社の決算を単純合算すると合併後のエクササイズコーチジャパン株式会社の当期純利益は1億円の水準になる見込みだ。

元々、オフィス住所など共通化している部分も多く(家賃等は按分して計上しているのでは)、おそらく人的リソースも行き来して共有している部分も有ると推測されるため、販管費的なシナジーはあまり感じられない。(フィットネス業界に限らず、多岐にわたる業界/案件において合併によるスケールメリットでの間接経費コストダウン等のシナジーはあまり起こらないことが多い)むしろ現場運用上、人の行き来や店舗備品の共同購買品の融通など、実質的には同一企業であるが会計上や管理上の手間を削減するための合併でもあると考えられる。

もちろん同社としては、エクササイズコーチジャパンが軌道に乗り、前述した1社で複数ブランドを展開していく戦略に本腰を入れ業界首位をとりにく、というフェーズに入ったことが大きいと思われる。

いずれにしても同社がパーソナルトレーニング業界での好ポジションにいることは間違いない。今後の同社の出店動向や戦略には注目していきたい。

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