フィットネス上場各社の4-6月業績出揃う、新型コロナの影響大きく業界総赤字の様相

3月期決算のフィットネス上場企業各社の第1四半期(2020年4月〜6月)の決算が出揃った。新型コロナウイルス感染拡大に端を発する環境変化によって3月通期の時点で今期は各社厳しい決算が予想されていたが、改めて出てきた数値について見ていきたい。

今回とりまとめたのは9社、解説に入る前に断っておきたいのはカーブス、24/7Workoutは3月期決算ではないため除外した。コナミはフィットネス該当セグメント数値、RIZAPグループについても連結のフィットネスセグメントの数値(RIZAP関連、RIZAP事業以外の数値も含まれる)、SDエンターテイメントはRIZAPグループ傘下企業となる。またRIZAPグループは2021年3月期からセグメントの対象事業を変更しており、RIZAPグループのフィットネス関連セグメントに前期まで含まれていたSDエンターテイメントは今期から外れている。

売上高は休業が大きく響き、各社前期比で約60%-70%減少

新型コロナの影響が最もわかりやすいのが売上高の減収比だろう。

フィットネス業界の3月決算上場各社 第1四半期の売上高の比較
各社IR資料よりBtF編集部が作成

図の通りではあるが、各社60%前後、コナミスポーツに至っては70%に近い水準、ティップネスを傘下に持つ日テレHD、メガロスを傘下に持つ野村不動産HDの該当セグメントの売上高減収比は70%を超えた。

また減収後の1Q決算では売上高でセントラルスポーツが首位(RIZAPは純粋なRIZAP関連売上高が分からないため一旦保留)水準となり、業界順位に変動が起きる結果となった。またアクトスもメガロスの売上を超える着地となっている。

各社細かい差はあるが、4月〜5月末までの約1.5ヶ月〜2ヶ月の休業が響いた結果となり、個社解説の記事でも触れているが会員減も各社起きているため、第2四半期以降にも暗い影が落ちる結果となっている。

ほぼ全社が赤字決算、フィットネス事業のビジネスモデル見直しが迫られる

損益に目を向けると更に厳しい状況となっている。

フィットネス業界の3月決算上場各社 第1四半期の利益の比較
各社IR資料よりBtF編集部が作成

休業によって、固定費や人件費等のコストが吸収できず、損益計算書上では売上総利益時点で赤字転落している企業も出てきた。また営業利益、最終利益ベースで見ると、二桁億円単位で赤字を計上する企業も多く、コロナ対策コストや固定資産の評価見直しで特別損失を計上する企業も目立った。

フィットネス事業のビジネスモデル上、このレベルの売上減が起きれば必然的な結果ではあるが、いわゆるブラックスワン的な環境変化に業界全体が著しく弱いことが改めて浮き彫りになった形だ。

緊急事態宣言発令後に各社こぞって初めた「オンラインフィットネス」だが、それが著しく貢献している様子はなく、第1四半期の決算短信にオンラインフィットネスの業績貢献についてポジティブに記載している企業は皆無に近かった。

フィットネス各社は、根本的なビジネスモデルの変化を改めて考えざるを得ない状況を突きつけられている。

なお、筆者はカーブスは直近の歴史において既存のフィットネス事業のビジネスモデルを再定義した企業だと考えているが、そのカーブスも第3四半期(2020年3月-5月)では約12億円の営業赤字となっている。ただし、カーブスについては決算説明会において「根本的にビジネスモデルを考え直す」旨を明確に示しており、同社の改革に対する意欲と今後の取り組みはフィットネス業界において新たなベンチマークに成り得るのではと期待している。



関連記事