「デリッシュキッチン」というサービス名を聞いたことがあるだろうか。デリッシュキッチンは、株式会社エブリーが提供するレシピ動画メディアだ。アプリダウンロード数は3,100万を超え、おそらく利用したことがある人も多いだろう。
今回、このデリッシュキッチンを提供するエブリー社は、フィットネス業界に新たな提案を行う。同社は、新規事業として、2022年に「ミールズ」という冷凍宅配弁当の定期配送サービスを立ち上げた。ミールズは後発ながら事業を伸ばしており、事業成長の中で、フィットネス事業者にとっても「ポジティブな効果」をもたらす特徴が見られるという。
その「ポジティブな効果」とはなにか。同社によると「ミールズは、フィットネスジムに通う女性会員のLTV(ライフタイムバリュー:顧客生涯価値)を向上させる可能性がある」という。

今回、同社はフィットネス業界向けにミールズの販売パートナー募集を本格的に開始する。冷凍宅配弁当市場では後発のミールズが、なぜフィットネスクラブの、特に「女性会員のLTV」を伸ばすことに貢献できるのか。その理由をエブリー社でミールズ事業責任者を務める柴田 一旭さんに聞いた。
会員の9割が女性、冷凍宅配弁当「ミールズ」とは
ーー貴社の「ミールズ」が、フィットネスジムの女性会員のLTVを伸ばせる可能性があると聞きました。本当でしょうか(笑)(聞き手:BEHID THE FITNESS 岩本)
柴田 一旭さん(以下、柴田) ありがとうございます(笑)あくまで可能性ではありますが、そのポテンシャルは十分にあると感じています。
ーーどういった可能性があるのでしょうか。
柴田 結論から言いますと、ミールズ会員の9割は女性なんです。年齢層で言うと、40代以上の女性がボリュームゾーン。これは冷凍宅配弁当の定期配送サービスとしては、非常に特徴的なデータだと思います。もしフィットネス事業者さんに、販売パートナーとしてミールズを取り扱っていただければ、女性会員さんのLTVを伸ばせるはずです。

ーー会員の9割が女性ですか。これは特徴的ですね。しかし貴社が運営しているデリッシュキッチンの影響ではないのですか。
柴田 それがそうではないんです。もちろん当初は「こんな方に利用していただきたい」という狙いをもってサービスをスタートしてはいるのですが、冷凍宅配弁当の市場では後発ということもあり、可能性を自ら狭める必要もないということで、ノンターゲティングで広告配信を開始して、この結果でした。
ーー蓋を開けたら女性の支持が非常に高かったと。
柴田 仰るとおりです。純粋にミールズは女性ユーザーからの注文が非常に多くて、しかも継続いただいている状況です。
ーーなるほど。女性から支持を受ける理由がなにかありそうですね。改めて、ミールズはどういったサービスなのかお聞かせいただけますか。
柴田 ありがとうございます。ミールズは「おいしさと健康を両立するためのプログラム」だと思っていただければと思います。当社は「デリッシュキッチン」という食を中心としたサービス展開をしている会社で、これまでは「レシピ」という形で、料理をする際の課題解決をしてきました。そこから次は「料理では解決できない領域」をなんとかしたい、そういう視点から作られたサービスがミールズです。

ーー「料理では解決できない領域」だから冷凍宅配弁当ということですか。
柴田 端的に言えばそういうことなんですが、ミールズの根本には、食に対するこだわり、とにかくおいしいもの、おいしい食体験、楽しい食体験を提供したい、そういう想いがあります。「料理をしなくても、おいしさと健康を両立したい」というニーズに応えるために生まれたサービスだからです。
ミールズが女性に選ばれる理由
ーー冷凍宅配弁当の各サービスは差別化をしていますよね。例えば、糖質や塩分量の制限、筋トレとの親和性、ダイエット目的など様々です。ミールズは「おいしさと健康」にフォーカスしているということですか。
柴田 その通りです。「おいしさ」の感じ方は人それぞれですから、ここを厳密に定義することは難しいのですが、できるだけ多くの方に「おいしさと健康が両立できる食体験」を届けたいという思いでサービスを開発しています。その担保として「品目数」にはこだわっていますね。
ーーミールズは「品目数」が多いということですか。
柴田 はい。他社さんだと、主菜1つに副菜2つの組み合わせが多いのですが、ミールズは主菜1つに副菜3つが基本になっていて、全てのお弁当で16品目以上がとれるように設計しています。

ーーなぜ「品目数が多いこと」を重視されているのでしょうか。
柴田 これはデリッシュキッチンのユーザーさんにも共通したお悩みでもあるのですが、例えばご自身で料理をすると、食材が偏りやすいんですよね。例えば「大根」を買ったとすると、大根で何品か作るわけです。使い切りたいわけですから。つまり「1食で、多様な食材が使われた多様なメニューが食べられる」という食体験を家庭で実現するのは、実はかなり難しいんです。
ーーなるほど、確かにそうですね。だから「品目数」の多さが大事だと。
柴田 その通りです。ミールズなら多食材・多品目の食体験が、ご家庭で手軽に実現できます。これは「(ご家庭の)料理では解決できないこと」の1つでもあります。ミールズを日々の食事に取り入れていただくことで、多食材・多品目の偏りのない食事がとれる。栄養バランスもこれで大丈夫、健康的な食体験が実現できるということなんです。
ーー確かに「日々料理をする人」には刺さる特徴かもしれませんね。
柴田 これが、女性からの支持が多い理由の1つだと思っています。品目数以外にも「栄養素」には強いこだわりをもっていまして、ミールズは他社さんに比べて基準項目数も多く、問題のない栄養バランスとして安心感を持っていただけている点かと思います。他にも、メニューは350キロカロリー以下、タンパク質は20g以上など基準が多く、メニューも管理栄養士・栄養士が監修しており、他社さんと比べても劣る部分はないと自負しています。

ーー後発であることを活かして「いいとこ取り」ができているわけですね。その反面、今お聞きした「おいしさと健康」は訴求しづらいようにも思います。他社は「筋トレに最適」「ダイエットに最適」などの尖った特徴を謳っていますよね。
柴田 そういった尖った特徴を打ち出せれば、マーケティングは楽かもしれません。ただ、全ての人がストイックにダイエットや筋トレをされているわけではありませんよね。例えば、ヨガやピラティススタジオに通われている方は「しなやかな美しさ」「健康的な美しさ」を求めている方も多い。ストイックに食事制限をして、激しいトレーニングをされている方って実は少数なんです。ですが、どちらにも共通しているのは「健康になりたい」「健康を維持したい」という本質的なニーズです。
ーーなるほど。利用シーンを特化させて栄養バランスが偏ると、本質的なニーズが叶えられない可能性があるんですね。
柴田 その通りです。例えば「美容」という観点で言えば、気になる栄養素はタンパク質だけではないですよね。脂質やビタミン、その他の栄養素も気になるわけです。トータルの栄養バランスがとれていることを重視されるユーザーさんは、たくさんいるんですよね。
ーー多様なニーズの中で、ミールズは共通したニーズにフォーカスしていると。
柴田 はい。一般消費者の大半は「健康には気を使いたいけど、おいしい食事もとりたい」と感じているはず。これが当社の認識している本質的なニーズです。つまりミールズはマジョリティ側にアプローチしているんです。仮にマーケティングの難易度が上がったとしても、私たちの思いやサービスを粘り強く正しくお伝えすることができれば「目的特化型の冷凍宅配弁当」に比べて対象顧客のボリュームは圧倒的に大きいはずです。私たちは「食を楽しむ」という軸を絶対にブラしたくない会社でもありますから。

ーーウェルビーイング的な考え方にも近いですよね。ヨガ・ピラティススタジオの会員さんだけではなく、総合フィットネスで水泳やスタジオレッスンを長く継続されている会員さんは、まさに仰っているような方も多い印象です。
柴田 当社もそう考えています。だからこそ「ミールズの販売パートナーをフィットネス業界に求めよう」となりました。仰るように、フィットネスクラブやピラティススタジオなどに通われている方は「健康維持」や「健康的な美しさ」を目的にされている人の方が多いと考えています。その中には料理に課題を感じている方も多い。ミールズは、そのような方々に向けて、短期間の筋トレやダイエットにフォーカスせず、日々の「おいしさと健康が両立できる食体験」を届けることを目的にしています。ミールズ会員の9割が女性であるという事実の背景には、このようなニーズの合致があった結果だと当社は考えています。だからこそフィットネス業界の、特に「女性会員さん」との親和性もきっと高いはずなんです。
「デリッシュキッチン」の商標が使える販売パートナー制度
ーーミールズの販売パートナー制度についてもお聞きできればと思います。
柴田 ありがとうございます。ミールズの「販売パートナー」制度は、フィットネス事業者様に販売パートナーになっていただき、自社の会員様にミールズをご紹介・販売いただく制度です。初期費用や仕入等は一切不要です。パートナー専用のミールズ注文サイトをお渡ししますので、お客様にはそこからご注文いただきます。専用サイトを通じて販売いただいた金額に応じて、販売手数料を当社からパートナー様にお支払いするという仕組みです。

ーーデリッシュキッチンのようなサービスを運営されていれば、販売パートナーのような仕組みは不要なのでは邪推してしまいますが、どのような背景なのでしょうか。
柴田 良いご質問ですね。最初にお伝えした通り、ミールズは「料理では解決できない領域」をなんとかしたいという思いから生まれたサービスです。これは「料理をされない方」に向けたサービスであるとも解釈できます。一方で、デリッシュキッチンは「料理をしたい時」に使っていただくサービスです。
ーーなるほど、愚問でしたね(笑)
柴田 いえ、そんなことはありません(笑)実際はそこまで抽象化できないのですが、これは当社でも整理が必要だったポイントで、デリッシュキッチンを使っていただくタイミングと、冷凍宅配弁当を必要としていただけるタイミングは少しズレているのかなと。ただ、当社は「良い食体験」をどちらの方にも届けたい。デリッシュキッチンだけでなくミールズも拡大することで、当社が目指すビジョンの実現にもつながると考えています。
ーー販売パートナーには、現在何社くらいが参加されているのでしょうか。
柴田 これまで積極的なパートナー募集はせずに、数十社にご参加いただいて取り組んできました。フィットネス業界だと「ティップネス」さん「ワールドプラスジム」さんにご参加いただいています。その中で、当社としても手応えを感じましたので、ここから本格的に販売パートナーさんの募集を開始します。
ーーどんな「手応え」を感じられているのでしょうか。
柴田 一番の手応えは、フィットネスクラブさんがご紹介いただく会員さんは、他のチャネルから注文に至った会員さんに比べて、約20%も継続率が高いことですね。継続率が高いということは、手数料としてフィットネスクラブさんにお戻しできる金額も高くなりますし、相性の良さを感じています。

ーー20%は大きいですね。販売手数料の設定はどうなっていますか。
柴田 売上の18.5%になります。ミールズは定期配送を基本としているサービスですから、一度お客様をご紹介いただければ、そのお客様がご注文を継続する限り、売上に応じた手数料を毎月お支払いします。パートナー様にとっては、ストック型の収益基盤を初期費用や仕入コストなど一切不要で構築していただけます。
ーー客単価は大体どれくらいなのでしょうか。
柴田 ミールズの一番人気は、月2回・14食セットです。14食セットは通常が10,489円(初回1,000円オフで9,489円)ですから、この場合、1ヶ月で約2万円の客単価になります。仮に14食セットで30名をご紹介いただき、その30名が1年間ご注文を継続いただければ、パートナーさんにお支払いする販売手数料の総額は約140万円となる計算です。100名ご紹介いただければ、約470万円となります。
ーーストック型で積み上がっていくのはフィットネス事業者にとっても嬉しいですよね。ですが、ミールズの価格は他社さんに比べて少し高いでしょうか。
柴田 仰るとおりです。他社さんに比べてミールズの価格は少し高めの価格設定になっています。ですが、その分パートナーさんに多く手数料が還元できますし、先ほどお伝えしたように継続率が高いことも思い出していただければと思います。
ーーこれまでお聞きした内容が、価格が高くても選ばれる理由になっているということですね。販売パートナーの声も少し教えていただけますか。
柴田 分かりやすいところですと、パートナーさんが会員さんに訴求するときに「デリッシュキッチン」という商標が使えるのは嬉しいという声はよくいただきます。特に女性会員さんが多いフィットネス事業者さんでは重宝いただいているようです。
ーーデリッシュキッチンと聞くと「料理」「食事」というイメージもすぐに想起されますから、冷凍宅配弁当は違和感なく連想できそうですね。
柴田 実際、現場でもそのような反応の会員さんは多いようです。当社からパートナーさんには、ポスターやチラシなどの販促物も提供させていただきますので、その点も安心していただければと思います。また、必要なものがあればリクエストに応じて対応させていただきます。

ーーしかし、他社の冷凍宅配弁当の紹介を既に行っているフィットネスジムも多いです。その点については、なにか反応があったりしますか。
柴田 実際、他社さんの商品販売をしているフィットネスジムさんは多いですよね。既にミールズの販売パートナーになっていただいているフィットネス事業者さんもそうでした。そこでお聞きしたのは「会員さんの選択肢が増えればいいと思っている」というフィードバックですね。実際、ミールズは「圧倒的に女性からの支持が高い」という特徴があるわけですから、そこを魅力に感じていただけるパートナーさんも多いのではないかと感じています。
ーー販売パートナーに期待すること、またパートナーの位置付けについては、どうお考えでしょうか。
柴田 期待していることとしては「丁寧に伝えていただくこと」でしょうか。私たちはIT企業ですから、WEB広告などで直接マーケティングすることは得意なのですが、やはりそれだけではリーチできない、伝えることができない層がいることを痛感しています。ミールズは少し高めの価格設定ですし、定期購入というハードルの高い商品でもあります。ですが、先ほどお伝えしたように「おいしさと健康の両立」「健康維持によりそう食体験」といった価値観は必ず多くの方が必要としているはず。特にフィットネスに取り組む方は強く必要性を感じられているはずです。この部分をパートナーさんにはぜひ伝えていただきたいと思います。顧客の健康を願う気持ちは同じです。その「価値観を共有したパートナー」という位置づけです。

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