ここ数年、日本のスイミングスクールを取り巻く環境には大きな変化が起きている。少子化、水道光熱費の高騰、送迎ドライバーの不足など、経営を圧迫する課題も多い一方で、学校の水泳授業の外注化といった新たなビジネス機会も生まれている。
こういった環境変化によって、大企業グループでノンコアに位置づけられたスイミングスクール事業が他社に売却される動きも散見される。こうした変化は、地域密着で経営を続けてきた地方のスイミングスクールにとっても例外ではない。そもそもスイミングスクール事業は初期投資が莫大で、維持管理や修繕にかかるコストも高額であるため、特に地方のスイミングスクール経営の難度は年々高まっている。
こうした市場環境において、大阪の一大ベッドタウンであり、スイミングスクールや学習塾の激戦区としても有名な「千里中央・箕面エリア」で、約50年間にわたり運営を続ける「かやの中央スイミングスクール」に話を聞く機会を得た。
中小企業としては全国初「スマートスイミングレッスン」を導入
かやの中央スイミングスクールは、2024年3月に延伸・開業したばかりの北大阪急行線・箕面萱野駅から徒歩数分の場所に位置しているスイミングスクール。以前は兵庫・大阪の2店舗体制であったが、兵庫県の店舗は約3年前に他社へ譲渡し、現在は大阪・箕面の1店舗のみ。いわゆる「地域密着型」のスイミングスクールだ。
現在の会員数は約1,200名。ベビースイミングコース、未就園児、幼児、学童、選手コースなど全8コースを運営しており、主に小学生が対象の幼児コース・学童コースに全体の9割を占める約1,100名が通っている。

同社の前身は、1979年に設立された箕面スイミングスクール。2008年には、箕面温泉スパーガーデンスポーツクラブ内に移転するも経営状況は芳しく無く、事業継続が危ぶまれていた。当時、青少年育成に携わっていた現運営会社の岸本社長が、会員の行先を危惧。2011年6月に経営に参加し、現在の営業場所を提供して運営を開始した。
現在の運営会社、株式会社ウィリング代表の岸本 一秀氏は、箕面市で段ボール製造業を長年営業するウィル包装株式会社の経営者であり、かやの中央スイミングスクールはウィル包装の本社横に位置している。
いわゆる「地域密着型」のスイミングスクールである同社は、2025年1月にソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社が提供する「スマートスイミングレッスン」を導入した。
スマートスイミングレッスンは、これまで㈱ルネサンス、コナミスポーツ㈱、㈱ティップネスなどの大手フィットネスクラブ・スイミングスクールを中心に導入されているスイミングスクール向けのスポーツICTソリューション。

プールに設置される専用カメラによって、子どもの泳ぐ様子を動画撮影、動画はその場で確認することができるため、子どもが自分自身で課題や変化に気づくことができ「アクティブラーニング」に繋がる。アクティブラーニングは、文部科学省から公示されている学習指導要領の考え方にも視点が取り入れられており、スイミングスクールに限らず教育現場の関心が高まっている。
スマートスイミングレッスンを提供するソニーネットワークコミュニケーションズ社によると、中小企業にスマートスイミングレッスンが導入されたのは、かやの中央スイミングスクールが初。さらに、同社は初回の打ち合わせから契約に至るスピードも過去最短だったという。
同社はなぜ、全国の地域密着型スイミングスクールに先駆けてスマートスイミングレッスンの導入に踏み切ったのか、その理由を紐解くと、激戦区で生き残る「地域密着経営」の本質が見えた。
異業種から参入、地域のための経営
ーー約1年前に北大阪急行線が延伸し、かやの中央スイミングスクールのかなり近くに「箕面萱野駅」が開業しました。市場環境もかなり変わったのではないですか。(聞き手:BEHIND THE FITNESS 岩本)
新田 美貴さん:たしかに箕面萱野駅が開業してから、この辺りは以前に増して賑やかになりましたね。商業施設もマンションも増えましたし、平日にちょっと買い物に行こうと思っても、最近は駐輪場も止められないくらいです。
ーー営業面でも良い影響が出ているんじゃないですか。
新田さん:まだ、あんまり実感ないよね(笑)
宮脇 厚子さん:たぶん今からですね(笑)
ーーこれからに期待ですね(笑)でも、新駅の開業がなくとも、この千里中央・箕面エリアは習い事の激戦区ですよね。このエリアで長年経営を続けられてきたことは率直に凄いことだと思います。
新田さん:一番小さいオーナー企業で頑張ってます(笑)周りは大手さんばかりですよね。

ーーしかも貴社の岸本社長は、スイミングとは全く無縁の業種から運営に挑戦されたわけですよね。これまでを振り返られて、営業を続けられてきたポイントは何だとご認識されているのでしょうか。
新田さん:経営的なことはあまり分からないんですが、そもそも、この「かやの中央スイミングスクール」の経営権を譲り受けようと思った時のコンセプトが「地域に貢献したい」という社長の考えだったと聞いています。だからハンディキャップをもったお子さん向けのコースも設置していますし、当初は健康寿命の延伸を目的に老人会を受け入れていたり、価格もずっと低く抑えているんですよね。それこそ周囲のスクールさんが値上げをしていても、当社は価格を変えずに運営してきましたし、地域の皆さんに貢献するというのが今でも根底にはありますね。
ーー「地域貢献」を強く意識されてきたんですね。
新田さん:あとは、利便性を上げる取り組みはずっと続けていまして、当社は1店舗だけなのにバスも5台持ってまして(笑)基本は3台をフル稼働してて、2台はもしもの時のために。利便性を上げて通いやすくして。
ーー1店舗でバス5台ですか。
新田さん:そうなんですよ(笑)他社さんだと、方面別に子どもが並んでいて、来たバスに自分で乗る、みたいな運用が普通だとおもうんですけど、当社は乗車表を作って、子ども一人ひとりをスタッフが直接確認して、乗った人数もフロントのスタッフがチェックしているんです。安全に来てもらって安全に帰ってもらう。シートベルトも全部チェックしてます。
ーーかなり手間のかかる運用をされてるんですね。
新田さん:基本的に安全に関わる部分は、子ども任せにしないようにしてるんです。だからバスの車内にも、車外にもカメラをつけていて、立ってたり、歩き回ってるとかがあればカメラでチェックして「座ってね」って注意したり。だから事業規模の割にスタッフは多いと思います。
ーースタッフの方は何名くらいなんでしょうか。
新田さん:全部で28名です。内コーチが13名。特にフロントスタッフは私含め毎日4名が出勤してます。フロントスタッフはおそらく他社さんだと半分くらいの人数で回していると思います。当社の生徒数が約1,200名ですから、それと比較しても多いと思いますよ。本当はもっと増やしたいんですけどね(笑)

ーー手厚い分、業務としてはかなり忙しいですよね。
新田さん:それでも、子どもたちの着替えとかは手伝わないようにしてるんです。バスで来てる子とか、手伝ったら乗せるのも早くなるんですけどね。基本は応援して「お母さん、びっくりさせようね」って声がけして。
ーー「地域のお母さん・お父さん」のようなイメージですね。教育の一環というか。
新田さん:手伝えば早いんですけど、それよりも自分でできるようになってくれれば。それが一番良いですからね。
10年ぶりの値上げ
ーースイミングスクール業界では、学校の水泳授業の外注化も注目されているテーマです。かやの中央スイミングスクールさんのご状況はいかがですか。
新田さん:現在は3校受託していますけど、該当エリアに学校は13校あるので、拡大余地はまだありますね。でも各校トライアルの最終段階みたいな状況なので、既に外注しているところもあれば、まだ自分たちで頑張っていらっしゃる学校さんもありますね。
ーーそう考えると、今も後ろではベビースイミングコースが開催されていますが(インタビュー実施したのは平日のお昼前)学校の授業もあることを考えると、プールがずっと稼働しているんですね。
新田さん:そうですね、ベビー以外にも色々なコースがありますしね。今は、全部で8コース(ベビースイミング、未就園児、幼児、学童、選手、特別コース、親子コース、フリー遊泳コース)ありますからね。
ーー選手コースもあるんですよね。
新田さん:選手コースは1回なくしたんですけども、懇意にしている幼稚園の園長先生が「うちの園児もけっこうな人数がかやの中央スイミングスクールに通っているから、その先のコースを作ってもらえると、辞めるんじゃなくて希望をもって続けてもらえる」と言っていただけて、8年前くらいに再開しました。

ーー月謝の料金はおいくらなんでしょう。
新田さん:例えば、一番生徒が多い学童コース(年長以上)で、週1回が7,950円、週2回が9,070円です。ハンディキャップを持った子向けクラスの特別コースだと、1対1の個人レッスン・月4回で14,570円で提供してますね。高校生以上が対象のフリー遊泳コースが月2,500円です。
ーー本当に安いですね・・・
新田さん:これまでずっとこの値段でやってきました。だから来月の値上げをちょっと心配してまして(笑)
ーー値上げされるんですか?
新田さん:スマートスイミングレッスンを導入するので、(2025年4月から)各コースの会費を1,100円値上げするんです。学童コース(年長以上)で、週1回が7,950円から9,050円に、週2回が9,070円から10,170円に上がります。10年ぶりの価格改定なんですよ。
ーーそもそもの会費がお安いですし、10年ぶりですか。むしろ直近の事業環境で値上げしていなかったことの方が驚きですけども・・・
新田さん:確かに、最近は水道光熱費も上がってましたよね。でもコロナの前も後も、社長に「値段あげますか」って聞いたら「上げない」の一言。だから「子どもに徹底して目線を向ける」という方針についても、社長から何か言われたこともないですね。フロントにこれだけ人を置いていても、何も言われませんから。
スマートスイミングレッスン導入の経緯
ーーなぜスマートスイミングレッスンの導入を検討されたのでしょう。
新田さん:スマートスイミングレッスンは、2年前くらいに、スイミングスクールでの溺水事故とかの報道を見て「どうやったら溺水事故を未然に防げるだろう」「このご時世、AIもあるんだから事前に検知できたりしないのかな」みたいな話を社内でしていたら、宮脇さんが「昨日テレビで、スイミングとAIみたいなサービス紹介してたよ」と言ってくれて。それがスマートスイミングレッスンだったんですよね。
宮脇さん:本当に、たまたまテレビがついてて見ただけなんですけどね(笑)
ーー偶然だったんですね。でも最初は、事故の検知とか防犯の着眼点だった。
新田さん:そうなんです。当社でも防犯カメラはつけていますけど、やはり施設全体は映しきれないですし、録画の確認もそこまでたくさんさかのぼることはできないですから、とりあえず社長に話してみようと。そしたら社長も「すぐ連絡してみて」と。
ーーでも、スマートスイミングレッスンは、当初の目的には合わないですよね。
新田さん:検討の入口はたまたまそうでしたけど、ソニーさんのお話を聞いてみたら「視覚化できるのっていいな」という印象に変わりまして。やっぱりコーチが「お手本動作を見てね」と言っても、ちゃんと見てくれているか分からないですから。だからソニーさんのお話を聞いてから、3ヶ月くらいで契約しましたよ。

ーー3ヶ月は、ほぼ即決ですね。
新田さん:最終的には、社長自らスマートスイミングレッスンを導入している他社さんの見学もして、自身の目で確認されての判断だったんですけども。社長は、良いもの・価値があるものには迷わずお金をかけるスタンスというか、良いものが直感で分かるのか、そういうものに対しての決断が本当に早いんですよね(笑)
ーー斜に構えた質問かもしれませんが、確かにスイミングの現場で視覚化を実現するサービスはスマートスイミングレッスンくらいしかないですし、仰っていることは分かるんですが、導入を即決されるほどだったのでしょうか。
新田さん:仰りたいことはよく分かります。私たちの事業規模からすると、導入コストも安くはありませんからね。ただ、検討する中で当初の目的だった「AIで溺水事故を防止する」ということは一旦置いておいたとしても、視覚化できることの効果も含め、大前提として「これは会員にとって絶対に良いサービスだよね」「テストの結果も配信されて便利だよね」といった意見で一致していました。スマートスイミングレッスンを導入した方が、子どもたちの上達も早まるという確信もありましたし。
ーーなるほど。
新田さん:それに加えて、溺水事故を事前に検知することはできないとしても「スタッフたちも映っているから、何かあった時に怒られることもあるけど、守られることもあるよね」という視点もあるなと感じたので、これらを踏まえると「導入した方が良い」という判断になったということですね。
ーー「守られる」とは、どういったことでしょうか。
新田さん:例えば、何かあった時にエビデンスとして動画が残っていると、瑕疵の所在が明確になりますよね。もちろん事故は起きてほしくないし、保護者さんも当然同じ気持ちです。だから、私たちの日々の些細な行動についても、保護者さんからご指摘いただくことがあるんです。それが子どもだけの目線の話なのか、そうではないのかでも確認できれば、スタッフやコーチは安心して働けると思うんですよね。
ーー原因や瑕疵が明確になることで、働く側も守られることがあると。確かに、コーチが見ていないところでトラブルが起きることもありますよね。
新田さん:本当に子どもって、私たちが1秒くらい右見て、左見たらいなくなっていることもありますからね(笑)実際にスマートスイミングレッスンを導入した後でも、振り返りで何回か使ったことがありますよ。
ーー先ほど「子どもたちの上達も早まるという確信もあった」というお話がありましたが、貴社にとっては「生徒が早く卒業してしまう」「売上が減る」ということにもなりませんか。
新田さん:逆にそれが導入のモチベーションにもなっていまして、今のお子さんは色々な習い事で忙しいので、当社としては、お子さんの上達が少しでも早くなって、早く卒業してもらう方が良い。その分、他の習い事にもいけますから。その方がお子さんのためにもなりますよね。
ーー清々しいまでに顧客目線ですよね。
新田さん:売上のために子どもの上達速度を上げないなんて、保護者さんからすれば言語道断ですよ。無理に引き止めたりするのもそうですし、私たちも嫌ですよ(笑)
ーーこういった考え方が激戦区のエリアで、地域密着で長く経営を続けられている秘訣ですかね。
新田さん:どうなんでしょうか(笑)でも社長からは、常々「地域の方のために」ということは言われていて、私たちもそれを継承している、という感覚はありますね。逆に現場の運用や細かい点について社長から、あれこれ言われることはほとんどなくて、逆に「こんなことがしたいです」という前向きな提案は「とりあえずやってみたら」と言ってもらえることの方が多いですね。

ーーお話をお聞きしていると「地域に貢献する」であったりとか、会員の方に対して「良いサービスを安く提供する」「品質を上げる」という発想に徹底して立っていますよね。逆に言えば「いかに儲けるか」という視点から物事を全く発想していないのが、聞いていて本当に新鮮です。
新田さん:ありがとうございます。大手さんみたいにスマートじゃないですけど、逆に「お母さん、お父さんみたいな人」がいっぱいいるというか(笑)
運用開始から3ヶ月が経過、試行錯誤の連続
ーースマートスイミングレッスンは、どのコースに導入されているんですか。
新田さん:基本的には全コースに順次導入することを考えていますが、今動画配信まで使える状態なのは、幼児コースと学童コース、未就園児コース、親子コース、特別コースですね。ベビースイミングコースと選手コース、フリー遊泳コースは、動画配信はしていませんけど、その場で動画が見れるディレイ再生は今でも利用できますね。
ーースマートスイミングレッスンの運用を始めて約3ヶ月、現段階でのご印象はいかがですか。
大西さん:うまく撮れた時は「すごい!足の形もしっかり見える!」と驚くことも大きいんですが、これは当社の問題で、プールの採光がかなり良いので天気によってはちょっと見にくいなと思う日もあったりして、試行錯誤してますね。でも、コーチのお手本動作を直接見せるより、動画で瞬間的な動きとかも止めて見せることができるので、その辺りはかなり教える側としてもやりやすくなりました。

ーー現場のコーチの皆さんもスムーズに使えているんですか。
大西さん:普段、タブレットとかスマホをあまり使っていないコーチが最初は心配してましたけど、最近聞くと「まぁ慣れてきたわ」みたいな感じで、特段問題なく使えてますね。スコラプラスとスマートスイミングレッスンの連携もしてもらったので、進級テストの結果もスマートスイミングレッスンに打ち込めば、スコラプラスにも自動で反映されますし、紙で作業していた業務も削減されて、入力ミスはかなり減りました。
ーー「採光が良すぎる問題」はどうされるんですか(笑)
大西さん:業者さんと協議してるんですけど、元々建築屋さんには「採光よくしてくれ」って言って作ってもらってるので、今さら「明るすぎる」って言っても困らせちゃうと思うんですけどね(笑)
新田さん:だからといって暗くしすぎるわけにはいかないし、夏とか本当に太陽光で気持ち良いので、どうするか一番悩ましいところですけど、スマートスイミングレッスンのように「より良いもの」をご提供していきたいわけですから、出てくる課題を解決していって、突き詰めていきたいなと思ってます。
ーーほかにどのような課題を感じていらっしゃいますか。
新田さん:最大限に活用しようと思うと、まだまだこちらから、子どもの動機付けに取り組まないといけないなという課題感はありますね。ディレイ再生を見る時にしても、見たかどうかを確認する「スタンプ機能」とかもありますけど、スタンプ押してるだけ、とか(笑)効率よくという意味では、年齢によっても声掛け内容が違うと思うので、その内容を確立するまではもう少しかかるかなと。
大西さん:昔だったら中学卒業まで在籍して辞めるとか、会員の年齢層はそれなりに高かったんですけども、最近は始めるのも早いし卒業するのも早いので、低学年中心になってきているんですよね。低年齢の子が動画を見て、自分で「あ!僕のヒジもうちょっとこうしたら!」とか気づくようになるには、まだ理解が追いつかないと思うので、私たちとしては低年齢の子に対して、どれくらい動機付けしたり、理解を促せるようにできるかですね。
ーーなるほど、会員さんが低年齢化しているんですね。
新田さん:そうなんです。私たちも教師ではないし、保育園の先生でもないので、子どもたち自身が自分で気付いて成功体験を自ら経験してくれる瞬間を待つ必要があるんですが、全体的に年齢が下がってきていることもあって、そこにはもう少し試行錯誤が必要かなと思いますね。
ーーお手本動画やディレイ再生などスマートスイミングレッスンの機能がしっかり活用できる、自分で気付きを得られる年齢って何歳くらいからのイメージですか。これだけ様々なコースで活用されているからこその気付きがあると思いますが。
大西さん:小学1年生までは、ちょっと難しいかもしれませんね。自分が映ってることに喜んではいますけど、2年生で泳法級になってきたら、ちょっと分かってきてる感じはありますね。ご家庭で動画を一緒に見てアクティブラーニングを実践されている方は、保護者さんから言われたことを伝えてくることもありますね。「(水の中に)頭ちゃんといれるように言われたー!」とかですね。
ーーご家庭でのコミュニケーションがあるとスムーズになってくるんですね。
大西さん:そうですね、保護者さんとのご家庭でのコミュニケーションが結構大事ですね。以前は、テスト内容がなにかも分かってない子も多かったんですけども、最近は何をすれば良いか、ご自宅で事前に見て理解している子は増えましたね。
ーーまだ能動的な活用がちょっと難しいかも、と感じられている未就園児や小学1年生くらいまでの子たちに対しては、どういったアプローチを考えられているんですか。
大西さん:水中カメラに向って水に潜ったりさせて、それを後からディレイ再生で見せたりとか、各コーチがすごい工夫してくれていますね。楽しく触れてもらうというか。その分、コーチは撮影テクニックも磨かないといけないですね。手ブレしてるとか、近すぎるとか、ちょっと見切れちゃったとか、少し修行が必要です(笑)

ーー進級テストは仕様が決まっていますけど、レッスン動画配信の5分間は自由だから、スクールさんの特色もでますね。
新田さん:親子コースなんかは、つい先日初めてレッスン動画を撮りましたけど、全員「撮りたい!」ってきて一人ずつピースしてましたね。いろんなハンディキャップの子がいるから、指示が通りにくい反面、その時その子がなにをしたかったか分かるので面白いですね。そういう瞬間を引き出せるようなレッスン動画配信にできればいいなと思いますね。
大西さん:1クラスに120人近くいるので、進級テスト動画配信も授業の終わりに間に合うかなと不安があったんですけども、ちゃんと自動編集もされて終わっていたので、すごいなと思いましたね。
ーー幼児・学童コースに全体の生徒の9割以上がいらっしゃるのに、全コースに導入する判断をされてるのが、本当に「かやの中央スイミングスクールらしいな」と思うんですよね。効率を考えたら、普通はボリュームゾーンだけが対象になりそうなのに、そうじゃないコースでも、全力で試行錯誤されていて。本当に素晴らしいなと思います。
新田さん:経営感覚がない人間ばっかりなのかもしれないですね(笑)でも、私たちは「地域の方のために」営業していますし、これからも「子どもに徹底して目線を向ける」という方針を守っていきたいと思っています。
かやの中央スイミングスクール
https://kayanoswimming.com/
スマートスイミングレッスン サービスサイト|ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社
https://ict.sonynetwork.co.jp/sports/swimming