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2023年10月25日 業界ニュース

【追記あり】低価格24ジム「VALX GYM」が値上げ、月会費2,980円プランは廃止

画像:https://valx.jp/lp/gym/

24時間フィットネスジム「VALX GYM」は、公式サイト及びX(旧Twitter)にて、価格改定のお知らせとして値上げを発表した。これまで運用されてきた3プラン、ゴールド会員:月額2,980円(税込3,278円)、シルバー会員:月額3,980円(税込4,378円)、レギュラー会員:4,980円(税込5,478円)は廃止される。

新価格ではレギュラー会員が月額4,980円(税込5,478円)、マンスリー会員は月額7,980円(税込8,778円)の2プランとなる。レギュラー会員は12ヶ月間の契約期間(自動更新)で、マンスリー会員は契約期間のない1ヶ月毎の自動更新プラン。

新価格は新規契約者と既存契約者に分けて施工され、新規契約者に関しては2023年11月1日から適用される。一方、既存契約者に対しては約1年後の2024年10月31日までは現行プランが適用されるが、2024年11月1日からは新価格が適用される。また新プランのレギュラー会員には契約解除手数料16,434円を設定する。諸費用としては入会金5,500円、施設メンテナンス料5,500円/年(マンスリー会員は解除手数料・入会金・施設メンテナンス料は不要)が発生する。

画像:https://valx.jp/lp/gym/

VALX GYMは2022年1月に1号店をオープン。月会費を低価格で提供することによって、フィットネスをより身近に感じ誰でも気軽に始められることを目的として開業し、順調に会員を獲得。店舗デザインなどのクオリティや同業態の方向性に共感する消費者が集まり、満員で新規入会をストップする店舗が出るなど人気を博していた。2023年10月時点では、東京・福岡で6店舗を展開、2024年1月には神奈川県藤沢市に新規出店を予定している。

今回の値上げについて、確認できる範囲では値上げの明確な理由についての発表はなく、同社のX(旧Twitter)の投稿に対しては、値上げに一定の理解を示す声もありつつ、「低価格ジムとして開業したのに短期間での値上げとは」「それまで通っていたジムを解約してVALX GYMに乗り換えたが新価格の方が高い」「低価格を売りにフィットネス人口を増やすという方向性に共感していたのに」といった内容の失望の声も寄せられている。

Xに投稿された同社のお知らせと、それに対する反応の一部抜粋(画像:BEHIND THE FITNESS編集部作成)

競争が激化する低価格24ジム市場において、今回のVALX GYM値上げはインパクトが強く、今後の市場動向にますます注目が集まるだろう。

【2023年11月1日:追記】VALX GYM 只石氏がX上にて価格改定についての説明を投稿

VALX GYMを運営する株式会社レバレッジ代表の只石氏は、公式アカウントが最初に価格改定のお知らせを投稿(2023年10月24日 午後7時11分)してから約1週間後、10月31日午前7時32分に、今回の価格改定に関する投稿をXに行った。只石氏は、まず価格改定に至った背景や理由を説明しなかったことを謝罪した上で、今回の値上げに至る経緯と理由を記載。

2019年10月に始まったVALXは、サプリメントを軸にYouTubeやSNSの運用を行う中で「VALXにジムを出してほしい」という声が増えた結果「VALX GYM」の出店に向けて動き出したという。当時は限られた予算内での出店を計画していたことから、ワンルームマンションでのパーソナルジムなども検討したようだ。

最終的には、一定の敷地面積を要する24時間ジムを出店することで話はまとまったものの、同社は後発での参入になるため「低価格」にしない限り、事業成功の可能性を見込むことができないと考え、「無人ジム」形式で人件費と投資額を抑える手段を検討していた。しかし開業直前で「VALXらしさ」が無人形式では実現できないと考え、有人形式に経営方針を変更。

しかしながら、月会費2,980円の低価格ということもあり、出店コストや販管費を会費売上や店舗物販でも補うことができず、ワンオペ移行による人件費削減なども店舗面積上実施することが難しいため、厳しい状況が続いていた。また出店を急いだことで(直営6店舗に増加)業績負担が大きくなり、今回の値上げに至ったようだ。

この点について只石氏は、Xの投稿内で「価格は上がってしまいましたが、それに見合う価値と空間とホスピタリティを、会員様に本気でお渡しする。 そのためには、本来無人ジム展開の設計で生まれた低価格では厳しいということで、今回の価格に行き着きました。」と述べている。

価格改定に至るまでにも、同社内では「スタッフの削減」「掃除の頻度の削減」「マシンの質を変更」などコスト効率化に向けた議論があったようだが、只石氏によると「その都度VALXらしさとはなにか」という論点に至り、最終的には「VALXが本当に大事にしたいのはお客様をである」という結論に至ったという。

VALX GYM
https://valx.jp/lp/gym/