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2020年4月24日 業界ニュース

全国700店舗を展開するエニタイムフィットネスの新型コロナウイルス対策を時系列で追う

フィットネス業界に限らず、全国47都道府県に店舗を有しているチェーン業態は少ない。エニタイムフィットネスは2010年10月に東京都調布に1号店を出店し、そこから10年間で全国47都道府県に出店、店舗数は700店舗超、会員は55万人を超える規模に成長した。

2020年2月には新規上場を承認され、開示資料によれば2019年3月期の業績は売上高80億円、経常利益16億円(利益率20.8%)と驚異的な財務内容を公開している。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、同社は3月には新規上場承認を取り下げた。その後全国700店舗超における感染拡大の対応に追われている。フィットネス業界の経営者にとっても、他社の新型コロナウイルス対策の動向は気になるところだろう。そこで本稿では同社の新型コロナウイルス対策を時系列にまとめた。

エニタイムフィットネスのコロナウイルス対策とその他トピックの時系列

【日付】【エニタイムの対応・新型コロナウイルス関連トピック】
1月17日国内 700店舗達成(会員55万人突破)
2月12日新規上場承認
2月17日感染症拡大防止策としてスタッフのマスク着用を励行
アルコール消毒液、アルコールシートの設置
2月26日更なる対策の強化
店舗の定期的な換気、スタッフのマスク着用
アルコールシートによるマシン清掃
3月13日新規上場を取り下げ
3月26日会員がメインで利用している店舗以外の利用自粛を要請
3月30日米国エニタイムの自宅でできるバーチャル・ワークアウトの無料配信
3月31日甲府国母店(山梨県)の会員で陽性反応
甲府国母店の4月3日までの臨時休館を決定
4月1日47都道府県全てに出店達成(737店舗目高知本町店)
4月5日広島庚午店(広島県)の会員で陽性反応
広島庚午店の4月8日までの臨時休館を決定
4月7日緊急事態宣言発令
4月8日緊急事態宣言対象の7都府県の全店臨時休館を決定
(東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡)
期間は4月9日から15日間(4月24日まで)
4月13日緊急事態宣言対象の7都府県店舗の会員に向けて
会員がメインで利用している店舗以外の利用自粛を要請
(東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡)
4月20日4月22日から5月7日まで全店舗の時間短縮営業を決定
4月20日緊急事態宣言対象の7都府県の休館を5月7日まで延長
(東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡)
4月20日4月22日から5月7日まで新規追加地域店舗の臨時休館を決定
(北海道、茨城、石川、岐阜、愛知、京都)
4月20日エニタイム利用時の「利用ルール」を設置

エニタイムフィットネス独自の「利用ルール」を策定

同社が策定した「利用ルール」エニタイムフィットネス公式サイト

同社は会員に対して、マスク着用必須、利用時間制限、利用状況に応じて入館制限の実施、所属店舗以外の利用禁止など、会員の行動制限に対して大胆に踏み込んだ防止策を講じた。

全店の時間短縮営業や、緊急事態宣言発令化の都道府県下の店舗の休館などは、フィットネス業界他社の対応と類似したものではあるが、エニタイムフィットネスが示した「利用ルール」は他社には無い独自のものになっている。

新型コロナウイルス感染拡大の影響を乗り切り勢いを取り戻せるか

時系列を見て分かる通り、同社は業績も出店状況も極めて好調だった。予定していた新規上場では市場から50億円近い資金を吸収し、子会社の株式会社AFJ Projectを通じて60店舗弱の直営店舗の出店資金に充当する予定だった。

エニタイムフィットネスの店舗の8割以上はフランチャイズ店舗(株式会社Fast Fitness Japan有価証券届出書)

同社は店舗の80%以上がフランチャイズ店舗で運営されている。直営店のみであれば休業中の資金繰りや、出店計画の修正など自社の問題として処理できるが、カーブスの全店休業を報じた記事でも述べた通り、コロナ禍においてはフランチャイズ本部としての有り様も問われている。フィットネス業界の中でもトップクラスの成長率を有している同社の今後の動向に注目したい。

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