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2020年8月8日 分析と解説

セントラルスポーツ1Q決算:売上60%減少、新型コロナ対応で特損31億円

https://company.central.co.jp/

フィットネス業界売上高2位のセントラルスポーツ株式会社は2021年3月期の第1四半期(2020年4月〜6月)決算を発表した。

セントラルスポーツ株式会社 2021年3月期 第1四半期決算短信
セントラルスポーツ株式会社 2021年3月期 第1四半期決算短信

売上高は前期比60.5%減の53億円(前期134億円)、売上総利益は前期比70.5%減の6億円(前期20億円)と新型コロナウイルス感染拡大による店舗休業の影響を強く受けた形となった。利益ベースでは赤字となり、営業利益は▲1.6億円(前期は9.9億円の黒字)、経常利益▲2.5億円(前期8.6億円の黒字)、当期純利益▲21.8億円(前期5.6億円の黒字)となっている。

同社は4月7日の緊急事態宣言後、5月末まではフィットネスクラブ・スクールの休業を実施、6月から感染症対策を講じつつ営業を再開している。しかし会員の退会/休会への動きは強く、フィットネス会員は前年比約80%、スクール会員は前年比約90%と厳しい状況が続いている。

同社決算の特別利益、特別損失に目を向けると、雇用調整助成金収入(特別利益)は2.4億円に対し、新型感染症対応による損失(特別損失)は▲31億円となっている。

財務体質については当該四半期で約50億円の借り入れを実施、現預金と建物及び構築物が合計20億円資産増加している。自己資本比率は前四半期比マイナス7.2%減の48.1%と減少するも、それでもまだ高水準を維持しており同社財務の強さが伺える結果となった。

フィットネス業界全体が新型コロナウイルス感染拡大の影響を強く受け、数日前に決算を開示した業界3位のルネサンスも同様に厳しい内容で、財務戦略的な動きが激しい印象があった。当然セントラルスポーツも同様に厳しい状況ではあるが、一方で同社の重厚なバランスシートの動きを見るとある種の「貫禄」を感じる内容でもあった。