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2024年6月20日 分析と解説

【新規上場】フィットイージーに上場承認 フランチャイズで店舗拡大、売上44億円 経常10億円

FIT-EASY小牧インター店

アミューズメント要素を取り入れたフィットネスクラブ「フィットイージー」を展開するフィットイージー株式会社は新規上場の承認を受けた。上場予定日は2024年7月2日で、東京証券取引所スタンダード市場と名古屋証券取引所に上場する。証券コードは212Aとなる予定。

フィットイージー社は2018年7月に設立。2018年9月に1号店から4号店までを同時オープン、そこから直営・フランチャイズを組み合わせ店舗展開を行ってきた。2021年2月にはファミリーマートが新業態として開始した「FIT&GO」の5店舗を譲り受けていた。2022年9月には100店舗、2023年10月には会員数10万人、2024年3月には150店舗を達成した。

株主の状況としては、同社の創業者・代表取締役社長の國江仙嗣氏の資産管理会社である株式会社オリーブが800万株(51.73%)、國江仙嗣氏が645万株(41.70%)を保有しており、合計は発行済株式総数の93.43%。上場時には公募90万株に加え、國江仙嗣氏が290万株、株式会社オリーブが50万株を売り出し、オーバーアロットメントによる売り出しも64.5万株を予定している。想定価格は950円、時価総額は約150億円となっている。

同社は、フィットネスクラブにアミューズメント要素を取り入れた「アミューズメントフィットネスクラブ(商標登録第6724824号)」を標榜しており、通常のフィットネス機器に加え、「スタジオ」「高濃度酸素ルーム」「ゴルフ」「ラウンジ」「サウナ」「ドライブシミュレーター」「セルフエステ」「テニス」「フットサル」などを設置、独自の業態開発を行っている。

こうした特徴的な業態開発の狙いの背景として、同社は「楽しみながら健康になる」の実現を目指しており、サードプレイス(自宅でもない職場でもない第三の場所)となる店舗運営や企画を行い、他社との差別化を図っている。

同社の開示資料によると、2024年5月末時点での店舗数は158店舗・会員数は123,393人。構成比は、直営店は25店舗(15.8%)会員数18,206人(14.8%)、フランチャイズ店は133店舗(84.2%)会員数105,187人(85.2%)で、フランチャイズによる出店が主力であることが分かる。また法人契約社数は2023年10月末時点で269社と契約し、法人会員数は9,638人。今後は、直営店は30店舗を目処に、フランチャイズによってさらなる店舗拡大を目指す。

業績面を見ると、直前期である2023年10月期の売上高は4,481百万円、営業利益1,113百万円、経常利益1,094百万円、当期純利益722百万円。また進行期の2024年10月期 第2四半期の売上高は3,110百万円、営業利益899百万円、経常利益892百万円、当期純利益588百万円となっており、大幅な増収増益ペースで進んでいる。

これまでの出店については、東海3県(愛知・岐阜・三重)を対象としたドミナント戦略を採用しており、中部エリアの店舗数は104店舗で57%を占める。中部エリアに継いで多いのが近畿エリア18店舗(11.4%)、関東エリア16店舗(10.1%)となっている。今後は全国の未出店エリアへの新規出店も進めつつ、海外展開についても日本人の居住が多い国や居住の多いエリアを第一候補に検討を進める。

また商圏人口についても記載があり、将来的には商圏人口5万人以上の地域への出店を目指しており、中期的には商圏人口10万人以上のエリアをターゲットとして、アミューズメントフィットネスクラブという新たな文化を確立するとしている。またこれらの目標達成のため、同業他社の買収、店舗買収等についても積極的に検討する方針。

売上の内訳を見るとセグメントは3つあり、1つ目が直営店の会費売上等の「直営売上」、2つ目がFC加盟企業から受け取るロイヤリティ(1店舗ごとに毎月会員数に応じた金額を徴収)や広告分担期等の「運営売上」、FC加盟企業から契約締結時に受領する加盟金、開業監修費、FC店の新規出店時に必要となるフィットネストレーニング機器、店舗運営備品等の代金を「開発売上」として計上している。また、直営店をFCオーナーに対して売却するケースもあり、こちらも「開発売上」として売上計上されている。

昨対比で全セグメントが成長しており、金額では直営売上における「会費収入」と、開発売上における「物販」が特に大きな割合を占めている。開発売上の22.0億円は、23年10月期の売上44.8億円の49.2%を占めており、「物販」は37.5%を占めている。

同社はフランチャイズ店舗が全体の84.2%とフランチャイズ本部の側面が強く、この開発売上における「物販」は、FC店の新規出店時に必要となるフィットネストレーニング機器、店舗運営備品等の販売金額と考えられる。

同じくフランチャイズ店舗に関する「ロイヤリティ収入」や「代行手数料収入」を含む運営売上の比率は、3セグメント内で最も小さいが「売上=利益」の側面も強く、また昨対の成長率は3セグメント内で最も高い水準となっており、同社の23年10月期の営業利益が11.1億円ということを考えれば、業績に対する貢献度は非常に高いと言える。

一方で、店舗比率15.8%の直営店25店舗が生み出す直営売上は11.9億円で、売上の26.7%を占めている。ただ同社が示した今後の方針には「今後は直営店は30店舗を目処に、フランチャイズによってさらなる店舗拡大を目指す」とされており、直営売上セグメントの成長率は限定的と思われる。

画像:株式会社Fast Fitness Japan 決算説明会資料より

ロイヤリティ収入と直営売上が業績を牽引するドライバーとなる傾向は、ビジネスモデルの近い「エニタイムフィットネス」を展開する株式会社Fast Fitness Japanでも見られ(FC店舗84.4%・直営店舗15.6%)ロイヤリティ収入は42億円で売上構成比は26.5%、直営店の会費収入は90.9億円で売上構成比は57.5%となっている。なお同社の24年3月期 営業利益は35億円である。

フィットイージー株式会社
https://fiteasy.co.jp/

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